TECHNICAL COLUMN / 撮像

エリアスキャンカメラの仕組み — 面で捉える画像検査

一度の撮影で面を捉えるエリアスキャン。撮影範囲・画素数・シャッター・照明を、対象物の動きに合わせて考えます。

撮像
エリアスキャンの概念図
視野に収まる面を一枚として取得。搬送中は露光時間とシャッター方式も確認する。概念図:実測結果や性能を示すものではありません

エリアスキャンカメラは、縦横に画素が並ぶセンサーで、一定の範囲を一枚の画像として取得します。部品全体の形や位置、印字、組付け状態など、面の情報を一度に確認したい場面で使われます。

一枚の画像に、必要な範囲を収める

対象を撮影範囲に収め、レンズと撮影距離で視野を決めます。同じ画素数のカメラなら、広く写すほど対象上の1画素が受け持つ範囲は大きくなります。見たい傷や文字の細かさから、必要な画素数と視野を考えます。

横方向の目安は「視野の幅 ÷ 横画素数」です。例えば100mmを2,000画素で撮るなら0.05mm/画素になります。これはサンプリング間隔の計算例で、0.05mmの傷を確実に検出できるという意味ではありません。レンズの解像性能、コントラスト、特徴が何画素に写るかを実画像で確認します。

エリアスキャンは、撮影のために必ず対象を走査させる必要はありません。一方で、搬送中の部品をトリガーに合わせて撮る使い方もあります。

動く対象では、露光とシャッターを確認する

露光中に対象が移動すると、その分だけブレが生じます。搬送速度に合う短い露光時間と、その時間内に撮影できる光量を確保します。

動く対象ではシャッター方式も重要です。グローバルシャッターとローリングシャッターでは画素の露光タイミングが異なり、動きによる歪みの出方も変わります。検査対象の速度、許容する歪み、照明の点灯タイミングを合わせて確認します。

面全体の明るさと、特徴のコントラストを整える

中央だけ明るい、端が暗い、といった照明ムラは判定を難しくします。視野全体の明るさと、傷・印字・輪郭の見え方を別々に確認しましょう。

反射の強い対象では、光を当てる角度によって写り方が変わります。照明の形式や大きさは撮影範囲に合わせて選びます。ラインカメラ向けの照明を、そのまま広い面の照明として使えるとは限りません。

ラインスキャンと、どう使い分けるか

部品の面を一度に捉えるか、移動を利用して連続した表面を撮るかが、方式を選ぶ出発点です。どちらも高解像度の撮影に対応する機種があり、優劣はカメラの種類だけでは決まりません。

  • 静止・間欠搬送の部品全体を撮る:エリアスキャンから検討
  • 連続するシートや長い表面を撮る:ラインスキャンから検討
  • どちらも使えそうな工程:撮影条件を整理して、必要な解像度・速度・設置条件を比較

参考:Basler — Area Scan Cameras、カメラ公式ドキュメント。実際の機種の対応方式・設定範囲は個別仕様で確認します。

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