ラインスキャンカメラは、細い線状の範囲を繰り返し撮影し、対象物またはカメラの移動に合わせて二次元の画像をつくります。シート、フィルム、金属板など、連続して流れる対象の表面検査に使われます。
1ラインを積み重ねて、面を撮る
ラインの横方向はセンサーの画素で捉え、搬送方向は撮影を繰り返すことで捉えます。広い幅を細かく撮りたい場合は、必要な視野と検出したい特徴の大きさから画素数を検討します。
ラインスキャンだから必ず高画質、というわけではありません。レンズ、照明、搬送の安定性、設定した解像度がそろって初めて、検査に使える像になります。
搬送速度と撮影のタイミングを合わせる
搬送方向の画素間隔は、搬送速度と1秒あたりに撮るライン数の関係で決まります。速度が変わる工程では、位置情報に合わせたトリガーなどで撮影のタイミングを整えることが大切です。同期がずれると、画像が伸びたり縮んだりします。
例えば、搬送速度を上げて同じ細かさで撮りたいなら、ライン取得の頻度も高める必要があります。設定可能なラインレート、露光時間、転送帯域を一緒に確認します。
搬送方向の画素間隔の目安は「搬送速度 ÷ ラインレート」です。例えば500mm/sで0.05mm間隔にするなら10,000ライン/sが必要です。これは計算例であり、当社製品の性能値ではありません。必要な露光・読み出し時間や同期精度は別に確認します。
短い露光時間に、必要な光を届ける
動く対象のブレを抑えるために露光時間を短くすると、受け取れる光は少なくなります。撮影する細い範囲に十分な光を届け、明るさだけでなく幅方向の均一性も確認します。
金属表面では、光量を増やすだけでは傷が見やすくなるとは限りません。複数の角度から光を当てる理由を踏まえ、光の方向ごとにコントラストを比較します。ハイブリッド照明の撮影例も参考にしてください。
導入前に整理したい4つの条件
- 撮影したい幅と、見つけたい傷・異物の大きさ
- 搬送速度と、その変動幅
- 対象の高さや姿勢の変動、振動
- カメラ・照明・レンズを置ける距離とスペース
静止した対象を一度に面で撮りたい場合は、エリアスキャンカメラも候補になります。方式の違いはラインとエリアの比較で整理できます。
参考:Basler — Line Scan Cameras。撮影方式の一般原理を参照し、導入時の確認項目は当社の検討手順として整理しています。