外観検査で「傷があるのに写真に出ない」という相談は少なくありません。アルゴリズムを変える前に、撮れているかどうかを先に確認します。
照明の方向と強さ
金属や鏡面は、一方向からの光だと傷が埋もれやすいです。正反射が強すぎると白く飛び、弱すぎると凹凸が消えます。高角度・同軸・側方など、複数方向の光を分けて撮ると、どの角度で特徴が出るかが見えます。
ハイブリッド照明は、この複数方向を一台で切り替えて確認するための製品です。まずは「どの方向の光で傷が立つか」を見るところから始めます。
カメラとレンズ
エリアカメラは面を一枚として撮り、ラインカメラは移動に合わせて線状の画像を積み重ねます。どちらも、撮影範囲に対して画素が粗ければ細かい線傷を捉えにくくなります。対象の大きさと見つけたい傷の幅から、必要な画素間隔とレンズの解像性能を検討します。
レンズの絞りも重要です。明るさだけを優先して開けると、ピントの合う奥行きが浅くなります。凹凸のある対象では光量を確保し、絞りを調整して必要な奥行きを確認します。絞りすぎると回折で細部の解像が低下するため、実画像でバランスを確かめます。
対象物の置き方
同じ照明でも、置く向きが変わると写りが変わります。ヘアラインの方向、曲面の向き、背景の反射を一度ずらして撮ると、原因が対象側か光学側か切り分けやすくなります。
検討の初期は、完成した検査装置を決めるより、写る条件を残すことが先です。撮影サンプルと、いま困っている写真があれば、技術相談から進め方をご案内できます。
原因を切り分ける順番
- 傷のある位置が分かるサンプルと、同じ材質・仕上げの良品を用意する。
- 対象物とカメラを固定し、照明の方向を一つずつ変えて比較する。
- 見えた条件でピントと撮影範囲を確認し、カメラ設定を記録する。
- 向きや位置を変えた場合にも同じ特徴を追えるか確認する。
まず静止したサンプルで条件を探し、その後に搬送中の撮影条件を検討すると、課題を分けやすくなります。撮像相談に使うメモを準備し、照明・カメラ・レンズの撮像環境構築へお進みください。